FP3級にでたらめな回答をしたら合格できるのか,という記事の続き。
前回の記事で,合格の確率は「万が一」ということだった。
今回は,得点は何点取れるのか?を計算してみた。
確率の計算による結論:
・FP3級の学科試験に,でたらめに回答した場合の得点率:
41.6 %
つまり,エンピツを転がしても,4割以上は取れる。※もし4割取れなかったら,鉛筆に負けているということになる。
・FP3級の実技試験は全て3択なので,実技の得点の期待値はいずれも
33.3 %
・ちなみに合格基準点は6割。
なかなか驚愕の結論だが,ここまで易しい試験とは・・・。
しかし,
- 「平均点が41点にもかかわらず,60点取れる確率は万に一つ」
というのは,確率のマジックだ。
この計算を行なうためのプログラムを下記に掲載。
前回と同じく,下記のコードを「fuga.js」で保存してダブルクリックするだけ。
/* FP3級の試験に,でたらめな回答で 何点取れるのか?を計算するプログラム 学科+実技(FP協会・きんざい) それぞれ算出。 */ // 和をとる function sigma( func, n_start, n_end ){ var sum = 0; for( var i = n_start; i <= n_end; i ++ ){ sum += func( i ); } return sum; } // C,組み合わせ function combination( a, b ){ return permutation( a, b ) / factorial( b ); } // P,順列 function permutation( a, b ){ return factorial( a ) / factorial( a - b ); } // !,階乗 function factorial( n ){ return ( n <= 1 ) ? 1 : n * factorial( n - 1 ); } // a択のテストをq問受けてそれぞれランダムに解答し,n問正解する確率 function prob_seikei_number( a, q, n ){ return ( combination( q, n ) * Math.pow( ( 1 / a ), n ) * Math.pow( ( ( a - 1 ) / a ), q - n ) ); } function log(s){ WScript.Echo(s); } // a1 択のテストを q1 問受けてランダムに回答し,同時に // a2 択のテストを q2 問受けてランダムに回答し, // あわせてk問正解する確率 function prob_two_tests( a1, q1, a2, q2, k ){ var prob = 0; for( var k1 = 0; k1 <= k; k1 ++ ){ var k2 = k - k1; prob += ( prob_seikei_number( a1, q1, k1 ) * prob_seikei_number( a2, q2, k2 ) ); } return prob; } // でたらめに回答すると,平均して何点取れるのか? // 2択のテストを30問と3択のテストを30問受け, // すべてランダムに回答した場合に, // 正解できる問題数の期待値 var avg_gakka = sigma( function(n){ return n * prob_two_tests( 2, 30, 3, 30, n ); }, 0, 60 ); log( avg_gakka ); // 25.0 log( avg_gakka / 60); // 0.416 →鉛筆転がしても4割取れる // 2択のテストを30問受け, // すべてランダムに回答した場合に, // 正解できる問題数の期待値 var avg_gakka_zenhan = sigma( function(n){ return n * prob_seikei_number( 2, 30, n ); }, 0, 30 ); log( avg_gakka_zenhan ); // 15.0 log( avg_gakka_zenhan / 30 ); // 0.5 →正誤問題は確率的に半分取れる // 3択のテストを30問受け, // すべてランダムに回答した場合に, // 正解できる問題数の期待値 var avg_gakka_kouhan = sigma( function(n){ return n * prob_seikei_number( 3, 30, n ); }, 0, 30 ); log( avg_gakka_kouhan ); // 9.99 log( avg_gakka_kouhan / 30 ); // 0.33 →三択問題は3分の一は取れる // 3択のテストを20問受け, // すべてランダムに回答した場合に, // 正解できる問題数の期待値 var avg_jitsugi_fpkyokai = sigma( function(n){ return n * prob_seikei_number( 3, 20, n ); }, 0, 20 ); log( avg_jitsugi_fpkyokai ); // 6.66 log( avg_jitsugi_fpkyokai / 20 ); // 0.33 →三択なので3分の一は取れる // 3択のテストを15問受け, // すべてランダムに回答した場合に, // 正解できる問題数の期待値 var avg_jitsugi_kinzai = sigma( function(n){ return n * prob_seikei_number( 3, 15, n ); }, 0, 15 ); log( avg_jitsugi_kinzai ); // 5.0 log( avg_jitsugi_kinzai / 15 ); // 0.33 →三択なので3分の一は取れる /* 確率の計算による結論: ・FP3級の学科試験に,でたらめに回答した場合の得点率: 41.6 % つまり,エンピツを転がしても,4割以上は取れる。 ※もし4割取れなかったら,鉛筆に負けているということになる。 ・FP3級の実技試験は全て3択なので,実技の得点の期待値はいずれも 33.3 % ・ちなみに合格基準点は6割。 */
参考:
期待値
http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/kou3/probability4.htm
- 変数×確率の積を作る. x_k p_k
- それらの合計が期待値
数式で計算
正誤問題は,確率的に半分は取れる。つまり30問中15問。
3択問題は3分の1は取れる。30問中10問。
あわせて,60問中の25問。
これを得点率に直すと,41.6%になるということ。